この番組の衝撃は大きかった。勤務先の経営状態がけっして思わしくない私には、大げさではなく「明日はわが身」と、深刻に受け止めざるを得ない。そして、思う、・・・いったい、僕らはどこからどう迷ってこういう社会をつくりだして来たのかと。・・・もちろん、この「問い」自体が必ずしも問題の所在を示していないことは認める。

【写真】カブト虫のカブヲくんとカブコちゃん(2006.7.26)
こうした経済構造問題とは少し違うが、6月26日の日経新聞「日本を磨く」という記事で、五木寛之さんのインタビューが紹介されている。
・・・今の日本をどう見ていますか。
「物質的には豊かだが、心貧しい国。今の日本は戦後最悪の状況にあると思う。(中略)毎朝、新聞を見て、陰惨な殺人事件が今のように連日大見出しで出る時代は、かつてなかったような気がします」
そう、五木さんが語るとおりだ。親が子を殺す、近所の子を殺す。少年が家族の住む家に放火する。少女が学校で級友を刺し殺す。若者は年寄りを騙して金を巻き上げる。強盗も引きもきらない。・・・オイオイ、いったい何なんだ、この社会は? 心が荒みきっている人があまりにも多すぎる! そして、誰も本気になってこれに取り組もうとしない!
日本人は基本的に内部の争いを好まない。自分の意見をもつことを嫌う、とくに他と意見が異なる場合にはそうだ。私にはこうした日本人の社会性が修正しにくい硬直した社会構造をつくりだし、自分を大事にしない、したがって人をも大事にしない心の荒廃を生み出してきたように思われる。これは飛躍を重ねる論とみえるかも知れないがそうではない。だから、まずみんなが自分を語れ、自分の考え、自分の思い、見方を語れ。それから、それぞれの共通すること、異なることを見極め、違いの原因を探れ。・・・こうしたごくごくまっとうなコミュニケーションの練習もまたできていないのだ。
気がついた者が、まず自分に対して、そして自分の身の回りで
Trin for Trin の練習を行うこと、・・・遠回りにみえても、こういう方法しかこの社会の歪みを直していく方法はないように思われる。
(タイトルのリンクはNHKの番組紹介です。リンク切れ等が起こるかもしれません)