昨日の私の投稿に、とむ様から「グーグルは、ある意味で現代もっとも怖い会社の一つ・・・」といったコメントを頂きました。ありがとうございます。お書きのとおり「現代の社会システムに対して、普遍的なテクノロジーが根本から変えてしまう可能性がある」と私も思います。その可能性を大規模に実証してみせたのがグーグルだと思います。と同時に、創業以来の、例えば採用では前の職場の文化を持ち込ませないといった人事方針、上場の際にウォール街から猛反発をくらった所信表明、そもそも株式の上場に最後まで抵抗したこと等々の経緯は、創業者たちの技術に対する信念や理想を貫こうとする意思とアメリカ資本主義社会の論理の壮大なぶつかり合いのドラマだったといえると思います。10年前には地味な情報テクノロジー研究者となる道にいた2人の大学院生(ラリー・ペイジとサーゲイ・プリン)が経験した圧力と眼も眩む飛躍の大きさ、その試練にこの2人は立派に耐えたということを評価しなければならないということと、にも関わらず今後「邪悪にならない」というグーグルの基本方針を貫き、グーグルに対する人々の信頼をどこまで維持できるのかという点についてさらに厳しくみていく必要があるということ、私はこの2つの視点で彼らをみていきたいと思います。日本人は表立って(とりわけ本音の)意見を言ったりすることは得意ではありませんが、グーグルの行方について期待と緊張をもってみつめている点はアメリカの人々と一緒です。
そして、本書を読んで、グーグルが示した軌跡との対比であまりにもお粗末な日本の「IT企業」の状況、日本社会そのものの閉塞、希望のなさといった点についても強く思うところがありました。この点についてはまた稿を改めます。
【原著】The Search by Jhon Battele(2005/5)
【邦題】ザ・サーチ グーグルが世界を変えた ジョン・バッテル(2006/11)
【写真】昨日の書き込みに紹介したシジュウカラの巣立ちの瞬間、側板をあけた巣箱から3羽ほどの雛がこぼれるように飛び出しました。写真は私の足元の地面でウロウロしていた子鳥のうちの一羽です。これがカラスに食べられたかどうかはわかりません。(2005年5月19日、たろパパ写す)
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