グーグル株式の時価総額は15兆円にもなるらしい。この「時価総額」ということにこだわって小菅方面に行ってしまった方もいるけれども、1クリック5セントほどの売り上げをウン億ドル積み上げるために払われた努力と才能は、とても並みの秀才たちとは較べようもないという気がする。このグーグルに集中的に情報が蓄積されることを怖いという人もいるが、日本の大手プロバイダはもとより、下手に「反権力」を標榜する政党などよりよほど米政府あたりの干渉と闘ってくれそうだ。とは言え「もし世界政府というものがあれば行うであろう、世界中のすべての情報を整理する」のがグーグルの目的などと真面目に語る5000人のエンジニヤたちにこの世界の命運が握られている状態ではある。これからその蓄積はますます強まっていくだろう。
宇宙の大きさとグーグルのチャレンジの壮大さを想像しながら、「領土」をめぐる国家間の争いに子供たちまで巻き込もうという教科書検定の問題を横目で眺めると、いかにもそのつまらなさが実感される。海の底にあるものを「俺のものだ!」と取り合ってどうする? 100年後には人間の住めない地球になってしまうかもしれないという時に、目先の資源を巡る19世紀的対立はいかにもくだらない。なぜ地球環境に配慮した資源開発を日中共同で進めようという発想ができないのか。領土問題はいずれ次の世代が判断すること、両国の友好が先というのが日中修交の前提の考え方ではなかったのか。
その中国からの頭脳流出が止まらないらしい。中国の海外留学熱は高く世界中に10万人規模の留学生がいるようだが、そのかなりの部分が卒業しても帰国しないという。これと直接の関係はないかもしれないが、グーグルすらも「屈服」させた中国政府の言論規制もまたいかにも大時代的だ。中国がアメリカと比較しうる大国に発展するために、こうした言論規制は「障害」でしかないだろう。それから日本のパパやママは子どもたちの英語教育に熱心だけれども、米中の両大国の間に位置する日本では、英語と同じくらい中国語の教育に力を入れてよい。
ところで、トリン・フォー・トリンの日本語訳は出版されているのだろうか? あるいはこれはひとつの教育方法の概念で、まとまった本というものはないのか。もしまだ出版されておらず翻訳権を誰かが持っているとか、何か情報があればどうぞご教示ください。
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