秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
もう30年も前に逝った私の祖父は、宮城県北部栗原郡築館町(現在の栗原市)の出身で、永く県警の巡査などを勤めた、とくに学識がある訳でもない庶民と言ってよい人でしたが、このような歌を折りにふれては孫の私に教えたものでした。伊勢物語にしろ、あるいはこうした古今集あたりの有名な歌にしろ、明治期までの市井の人々にとってきっと一般常識だったに違いありません。それも書き物によってではなく、基本的に口承によって人々の間に伝わってきたというあたりに、近世までの私たちの文化のありようを感じとることができます。
Google、中国の Web 検閲への協力を「正しい」と主張
・・・だそうです。急に話題が変わって申し訳ありません。ニュースによると、グーグルCEOのエリック・シュミット氏は、「インターネット利用を制限している中国の法令に同社は従う義務がある」などと語ったようです。私は、中国の「インターネットユーザーが1億1100万人を超え、米国に次ぐ世界第2位のオンライン人口を抱える」という点に注目しました。この中国をめぐる競争に立ち遅れる訳にはいかないというグーグルの判断は、確かに常識的ではあります。しかし、どうなのでしょう? グーグルは果たしてここで「常識的」であるべきなのかどうか、グーグル自身も、そしてこれを見守る世界中のユーザも考え続けるところの問題ではあります。
「俺たちは別に生活には困っていないさ」・・・平川克美さんのニート論
今日の『カフェ・ヒラカワ店主軽薄』では、ニートの「働かない理由」を考えています。政治家たちが学校に競争原理を導入して問題を解決しようとしていることに反論して、「ニートの大量輩出には、ふたつの理由があると私は思っている。ひとつは、働かないでも食ってゆけるだけの経済的な基盤と、環境がそこにあるということであり、もうひとつはニートのひとりひとりが、就職して一生懸命こつこつ働くよりも、親に寄生してやりたいことを今やったほうが、自分の人生においてソロバンが合うと思っているということである」としています。つまり、平川さんは、「ニート現象」自体をさほど大きな問題と考えていない、というお立場のようです。
【写真】 飛び立ってから必至に壁にしがみつくシジュウカラの子鳥(2005.5.19)
・・・さて、どうでしょう。たろパパは、親たちも、また学校の先生も、この社会で「働くことの意味」をちゃんと子どもたちに伝わる言葉で持っていない点にニート問題の原因があるように思います。ところで、皆さんは、もし一生遊んで暮らせるほどの資産があったら、苦しい思いをして毎日働きますか? ・・・私の場合は、たぶん働かないだろうと思います。趣味とか興味を感じる活動なら何らかのことをするとは思いますけれども。・・・ということは、私もきっと潜在的なニートなんでしょうね!
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