節句の魚、マルタ
5月5日の端午の節句には、初節句を祝ってもらったお返しに、嫁の里や親戚、仲人の家などへ、柏餅やナマグサを持っていく。ナマグサは、ふつう干鱈(ひだら)が多いが、多摩川で獲れたマルタと呼ぶ体長数10センチの、コイに似た魚も用いた。
川漁をしていた宿河原の松坂仙蔵さんのお話によると、マルタが獲れたのは、多摩川の水が澄んでいた昭和30年代の半ば頃までのことで、お節句が近づくと、駒井・猪方・岩戸・和泉など土地の人から、よく注文があったという。5月5日の1週間から10日前に、節句用のマルタを獲り、生簀(いけす)に囲っておく。贈答には、竹のマルタ籠(かご)を使った。
マルタは、大ぶりで子ばらみのものなどは特に見栄えもよく、りっぱなので喜ばれたが、「股骨(またぼね)があり」「骨の枝が咲いたような」骨の多い魚である。ぶつ切りにして甘辛く煮つけるが、骨ごと食べられるように、番茶の煮出し汁で半日以上煮てから甘露煮にする人もあった。(後略)
・・・ということで、先日の塩焼きに続いて、今日は甘辛く煮付けてみた。味は贔屓目にいっても「まあまあ」、蛋白源の少なかった時代はともかく、現代ではちょっと人には勧められないレベル、・・・かなあ。釣ってから2時間ほどで持ち帰り、丁寧に内臓をとって洗ったのだが、やはり「潮くささ」が抜けない。それと、煮付けてもあまり油は出てこない。比較的パサパサしている感じだ。
今日は、子どもたちと調整がつかず、ひとりで柳橋保育園、野川、多摩川(稲田公園)、多摩川(東名高速橋付近)とさまよった。野川に近い大沢緑地ではワサビ田とされているところに白い花が満開、なんという花だろうか。
【写真】これは何の花だろう(2007.4.21)
野川では網で岸辺を探ったが、メダカ、オイカワらしき幼魚が2匹しか獲れなかった。稲田公園には初めて行ったが、しっかりとコンクリ護岸になっており、子どもたちとガサガサやれるような状況ではなかった。
(後調べによる補足)写真の大沢緑地の花はカラー(サトイモ科)に似ている。「オランダカイウ」あるいは「キバナカイウ」(?)・・・青木繁伸さんの「植物園へようこそ!」による
結局、東名高速橋付近でまだバシャバシャやっているマルタとしばし遊んだ。実は今日は、私の初フライフィッシングで、キャスティングもできないのに今年3匹目のマルタをフライで釣ったのだった。結局、フライを2つとも取られてしまい、スピナーに変えて4匹目を釣った。・・・ただし、これは釣るは釣るでも、ほとんど引っ掛け戦法だった。
今日で、今年のマルタをお仕舞にしよう。結局、今年は3月末の2匹と今日の2匹。・・・端午の節句が迫る時期となった。これからは少し上流のほうをせめてみる。
4 件のコメント:
たろパパさん、今日は。
マルタ籠なかなかいい感じですね。昔はこれで季節を感じたのでしょうね。
今度は煮付けにされたのですか、私は鯉、ニゴイ、鮒類は味噌仕立てで昔良く食べましたが夏場はやはりぱさぱさ感が有ったと思います。
これ見ると結構美味しそうです。鮭と同じで海で取れた方が美味しいのでしょうか?
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/ugui/maruta.html
脂が乗るの秋から冬で、産卵期の特にオスは不味いように思います。晩秋の相模川で昔釣った尺バヤの塩焼きは美味しかったと記憶しています。逆に産卵期のヤマベ(オス)の塩焼きの不味かったこと------。
多摩川は羽村の堰の上下で食べるかどうか決めると聞いたことが有ります。是非、上流域の魚も味見してみて下さい。
多摩川のサクラマス(本マス)はとても美味しかったそうです。大正の頃まではマスの大群が登ったそうですが、いつかそんな日が来ると良いですね。
マルタウグイさん
ご紹介いただいたホームページ、すごいですね。よくぞ、ここまで膨大かつ面白い情報を積み上げられた、というところでしょうか。
今年はフライに挑戦してマス族の味も試してみようと思います。
こんばんは
丸太は皮が臭みの原因だと知り合いの川魚料理やから聞きました。
鯉等と同様に皮をすぐ身から切り離すのがポイントのようです。あらいなんかはたぶんウマいよ!ともいってました。
mani-hanaさん、お休み中ですよね? ご訪問、ありがとうございます。
そうですか・・・皮ですね? 確かに自分自身、甘露煮を食べる時も、なんとなく皮を箸で除けながらだったような気もします。では、やってみます、・・・といっても、また来年ということですが。
ところで、この上のほうでマルタウグイさんが紹介してくれたホームページをご覧になったことがありますか?
http://www.zukan-bouz.com/koimoku/ugui/maruta.html
いや、このページをやっておられる方って結構スゴイと思いました。例のゲテモノ喰いの達人の方とはまた違うすごさだと感じたのですが。
どうぞひさびさのお休みを楽しんで下さいませ・・・
コメントを投稿