月曜日, 5月 15, 2006

「自殺」を防ぐために

5月13日、自殺対策の法制化を求める一斉街頭活動が各地で行われました。この活動は、遺族や自殺予防のためのグループなどが行ったということですが、本当にこうした活動が地域の自殺予防ネットワークの形成につながり、大きな実を結ぶことを心から願いたいと思います。
「うつ」かもしれない 死に至る病とどう闘うか 磯部 潮(光文社新書)
によれば、現在の自殺死亡数は、1958年(23,641人)、1986年(25,667人)を超える戦後第3のピークの時期が続いており、1998年(31,755人)から7年連続で3万人を超えているとのことです。そして、この自殺者の90%以上がなんらかの精神疾患に罹っていた、そのうち60%は「うつ病」であることがわかっている、とあります。まさに、うつ病は「死に至る病」ということになります。

これまでの私などの認識では、「ウツの人に対しては励ましたり批判したりしてプレッシャーを掛けるのは厳禁、逆になぐさめるのも良くない、自然に恢復するのを待つしかない」といったところでした。・・・しかしながら、この本の主張によれば、けっして症状を甘くみないこと、とにかく専門医に委ねることが必要、一見「回復」したかに見える時が一番自殺の危険が大きい、といったことが強調されています。そして、「自分には生きている価値がないから死にます」といった、通常の判断力を失った「視野狭窄」状態こそ、人を死に追いやる因子としています。・・・「うつ病」についての整理された認識をもつために大変役にたつ1冊です。

【写真】カリンの木にとまるスズメバチ(2006.5.14 柳橋保育園で)

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